ピアスホールは学生の頃からあいているのだけど、しばらく色々つけてみた挙げ句、自分は金属アレルギーだと思って諦めてしまっていた。
そんな中、実に二十年ぶりくらいで
「うーん、ピアスか」
と思ったのは、手芸屋さんで樹脂製のピアスパーツを見かけたのと、母の形見の小さい真珠が粒のままいくつかしまったままになっていたせいだ。
親子二代にわたってしまい込まれる真珠も不憫であるし、またアレルギー症状出るまでの間くらいはつけて日の目を見せてやるかな、と思ってテグスでぎりぎり結んでピアスにした。
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この夏、びっくりするほど話の通じない不動産管理会社と長々と関わり合って忙しくしている間に、美容室の予約までキャンセルする羽目になり、そうするとあら不思議、顔の周辺を中心にグレイヘアが育ってきた。
顔の額縁に白のハイライトが入ると、こんどはそこにいろんな色を持ってきてみることがやたら面白く、折から、手元には余ったピアスパーツがある。
色も形も、好きなものを耳からぶら下げ放題。
せっかくだから、クリスマスツリーみたいに、私はなりたい。
ピアスホール作成から20年を経て、こんな面白いことがあるとはおもわなかった。
金属パーツの部分だけ樹脂製のものにつけかえればいいんじゃないかと考えて100均のおもちゃみたいなピアスなんかも買ってみる。
「だが、待てよ」
と泥棒市みたいになったピアスを見ながら思った。
「ほんとうに、私は金属アレルギーなんだろうか」
抗アレルギーのチタンピアスを買っても18金を買っても、それから樹脂ピアスを買ったときでさえ、結局はなんだか耳が痒くなったり謎の液が出たりしたものだ。
……ということは、むしろ金属アレルギーではなかったんじゃないか?
ピアスというのは一旦つけたらずっとつけておくものだと思っていたのだ。
いったんつけたらなくすまでずっとそれをつけておいて、それであるとき急に痒くなったりする。
しかし考えるに、汗をかいたままにしておいたり濡れたまま放置すると、別にピアスホールでなくてもどこの皮膚だって肌荒れする可能性は十分ある。
清潔に気をくばって使えば、ひょっとして金属そのものは平気だったりするんじゃないか?
ついでに、皮膚と金属が直接接触しないように金具のところと耳たぶのホールの方にハンドクリームを塗ってから装着することにしてみる。
これが予想以上に快適だ。
ピアスをつけたことがある人なら心当たりある「耳たぶの中で探り針状態」の、あの恐怖体験がなくなる。
すべりがよくなることによって何処にも引っかからずにすっと通るし、ということはつまりホールの中で細かい傷を作ってないということであろうから、肌にも優しいだろう。
そんなこんなで、ちょっと気をつけることで今のところ100円のピアスが普通に使える。
かぶれてきたら早めに使うのをやめて自分でパーツを変えればいいことでもあるし、大変気楽でいい。