愛用しているイヤホンである。気に入っている。
今どき、有線だったり、カナル型でなかったり、3.5mmピンジャックだったり、わざわざ探さないと見つからない非主流タイプになってきたが、どうにもこの形が好きなので探して買った。
レビューを見たら「吉田拓郎がおすすめしていたので……」と複数書いてあり、どうやら私の耳は拓郎だ。
音の問題はさておき、このタイプでいつも困るのは置き場所である。
常にパソコンまわりに置いておきたいのだが、そのまま置くとだらしない感じなる。
コードをまとめるバンドのようなものは世に数多売っているのでまとめておくことは難しいことではないが、それでも雑然とした感じになるし、どうかすると見失いそうでもある。
有線タイプのイヤホンを常に机まわりに置いておくにはどういう方法が最適解なのか、とずっと薄々考えていたところ、やっとどうやら正解を見つけたように思った。
すずめの涙ポーチである。
すずめの涙ほどしか入らない。
これなら机の周りに常にあって邪魔でもないし、見失いもしないし、乱雑にも見えないだろう。
「イヤホンを入れるだけ」という極めて限定した用途には少し高いようにも思ったのだけど、これで日々のちょっとしたストレスが解消されるならば、めでたいことではないか。
そう思って思い切って買ってみた。
まさかの、結構ギリギリであった。
ちょっと無理していれるため、出し入れするたびにコードが絡まっていて、若干手間がかかる。
「悪くはないが、ちょっと微妙だったか」
と思ったりすると、いつもパソコンの前で涙をこぼす雀と目があってしまう。
いやいや、ちょっとしか入らないから買ったのだから、ちょっとしか入らなくていいんだよ。堂々と生きていきなさい。