晴天の霹靂

びっくりしました

自転車が盗まれたかもしれない悲しい話

「自転車なくなちゃってさ」

「えっ、盗難?」

「そうだと思うんだけどね。駐輪場において用事足して戻ったら見つからないんだけど。最近私も色々あってちょっとぼんやりしてるから、置いた場所がわからなくなった可能性もゼロではない」

「もう一回探しに行った方がいいよ。防犯登録は?」

「買ったときにさせられたと思うんだけど、あれっていつどうやって役にたつ仕組みなのかいまひとつわからないんだよな」

「たしかに」

「それより、最強の防犯システムがあるって聞いたからそっちしといたんだけど」

「なにそれ」

「サドルに鳥の糞がついてる自転車は絶対盗まれないって聞いたことがあるから、前についたときにそのままにしといたんだよね」

「……」

「直だったら自分が乗れないから、上から絆創膏貼って使ってたんだけど絆創膏が悪かったのかなあ」

「……」

 

悲しい話だが、いまひとつ同情されなかった。