普通に暮らしていると見落としがちなくらい地味なものではあるが、導入すると生活の質がぐっと上昇するアイテムというものが、世の中にはあるものです。
高級爪切りとか。
スーパーでも買える安い貝印の爪切りの優秀さには日頃から大変な感謝をしているので、普通だったらまず買うことはないであろう高級品です。
猫が全然爪を切らせてくれないので手を尽くして試行錯誤していたころに
「ここまでの良い爪切りを使っても駄目ならいっそ諦めもつくのではないか」
という発想のもと錯乱気味に買ってみたものでありました。
猫の方は最初の一回だけは見たことがない形状のせいで爪切りとして認識できなかったらしく大人しく切らせてくれたのでたいそう感動したものが、
そのうちに爪切りだとわかると、構えた時点でちゃんと逃げ出すようになり、すったもんだの末、高級つめきりは私専用となったのでありました。
(猫の爪切りはその後私がYou Tubeを見て勉強するというまっとうな方法で可能になった)
「うーむ、自分のためだったら一万円もする爪切りは買わなかったのだけどな」
という気もするものの、「あ、爪伸びてきたな」から「じゃあ、切ろう」と行動に移すまでの意識が軽くなったのは確かなことです。
爪を切ったあとで、ヤスリをかけるのがもともとすごく苦手なのです。
ヤスリでこすると背骨がじょりじょりする感覚に耐えられないので、切りっぱなしにしておくしかなく、そうすると一日くらいは、なんとなく爪が肌にあたるたびにひっかかって痛いのを我慢することになります。
いちいち取り立てて言うほどのストレスでもないので「爪切りってこんなもんだろう」と思ってそれほど問題視もしないで来たのではありますが
いざ、切りっぱなしでも切り口がガサガサしない高級爪切りを使うようになると
「あのストレスがなくなるだけで、こんなに爪を切るまでの決断が早くなるのか!」
と感動します。
自分で思っていたよりも、切ったあとの爪のギザギザ感が苦手であったのだな。
「意識されてもいないマイクロストレスの軽減のためだけに数百円のものから一万円以上のものに買い替える価値があるのか」という疑問とか、
「安い爪切りは飛散防止の工夫くらいしてあるのにどうして高級つめきりのほうがあっちこっちに爪が飛んでいくんだ!」というモヤモヤとか、
まあいろいろあるけども、でもあると本当にQOLは上がる。
あと、いい刃物ってかっこいいですね。
むしろこういうものは人へのプレゼントとかにいいのかもしれない。