バンクシー展見てきました。
もはや「バンクシーを見に行く」というのがどういうことなのか、考えだすとなんだかわからない。
ステンシルにうまいもへたもないだろうよ、とか
グラフィティの写真を見に行くならネットで見てれば足りるんじゃないか、とか
ジョークTシャツのデザイナーのほうがおもしろい人多くないか、とか
どうせサザビーズとグルでしょ、とか。
いろいろ自意識に邪魔されながら見に行くバンクシー。
「ちゃんと届くべきところに届いてるんだなあ」と感心したことには若者とか子供とかが多かったことです。
わりと頑張って世界のいろんな街角っぽさを再現している会場で、「美術展かくあるべし」みたいな思い込みの少なそうな世代が作品の中で写真撮ったりして楽しげにやっている。
そんな中、私が何に刮目してたかといえば「世界中どこの街角もだいたい日本より汚いなあ」ということであり、なんというか本当にもう年相応に内向きの感想。
ちょっと嬉しかったのが「物販コーナーは絶対なんか仕掛けあるだろう」と思って、もはやほとんどそれを見に行ったんですが、予想通り「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(物販通って出口へ)」って書いてあったのです。
「しめしめ、思ったとおり」
と、写真撮ろうと思ってスマホを出して
「あれ、ここは写真いいのかな?」
ってちょっと周りを見回し、見回しながら思うわけです。
「そもそもイリーガルな落書きを見に来ておいて、ここで写真いいのかなって何だよ」と。
なんで行儀悪いものを行儀よく見ようとしてるのか。
「声かけられたら走って逃げちゃえば平気」くらいの気概までは湧いて来なかったということではありますが、自分のそういう思い込みへの自由度の低さを展示されてる感じになるのはまあやっぱり他にはない面白いところです。
バンクシーって足早いんだろうな。