晴天の霹靂

びっくりしました

熱の予感やら夏の予感やら

ワクチンの三回目の接種である。

二回目に大きな副反応が出た人はどうやら三回目も同程度の反応が出るらしいと聞いて、できれば交差接種を、と思ったものではあるが、時間やら場所やらの都合で結局またモデルナワクチン。

どうやら39度くらいまでは出て寝込む確率が高そうだ。

 

数日前から目につくたびにちょっとずつ、ポカリスエットやらヨーグルトやらゼリーやらを買い集め、冷凍庫にアイスノンを仕込んでいる。

肌寒い季節ではあるが、だぼだぼのロングTシャツを自分で七分丈まで袖を詰めたものを着て、熱を測って、問診票を書いて。

まだ10分ほど時間があるので編みかけの春夏用のストールの続きをちょっと編む。

「夏はTシャツ着ればいいんだからサマーニットとか何のために存在するのかわからん」

と長年思い続けてきただけに、コットン糸まで買ってまで編み続けている宗旨変えが自分に言い訳のしにくいところであるが、何しろ好きな色と素材を見つけてきて好きな形を作るという作業は楽しい。

そうは言っても急いで仕上げてしまわないと本格的に暑くなればさすがに使えない、いずれ来る夏を想像できる程度には青空の冴えた日でもある。

通気性の良いふんわりした編地が膝の上にたまっていくのを感じながら無心に針を動かしている。

 

予約の時間を知らせるリマインダーが鳴って、やっと編み針をおろして立ち上がったときには

「なんだこのおだやかなひとときっ」

と、つい小声で叫びそうな程度になんだかすっぽりと静かな10分間であった。

それでは、しぶしぶ熱でも出しに行くとしようか。

 

(ちなみに三回目接種で一番驚いたことは、持参した問診票を出したときに係の人がひどく慌てた感じで本人確認書類やらなにやらアタフタ参照していたことである。

「何事か」とぼんやり見ていたら、なんと年齢を2つもサバ読んで書いていた。バツの悪い思いをさせて大変申し訳なかったが、こっちだっていつの間にかそんな年齢になってたなんて思いもしなかったのだ)