晴天の霹靂

びっくりしました

北国の熱帯夜、明けて女子マラソン

今日も暑い。

30度を超えてくる午前9時あたりから「あっちーなー」という単純な文句が口の端からダダ漏れるばかり。

今日も今日とてアイスノンは凍らない。

 

内々心配していたオリンピックマラソン競技は、急遽一時間繰り上げて6時のスタートになっていたことを終わってからニュースで知る。

そもそもこのマラソンは四割以上の棄権を出したドーハの大会を見てIOCが「ショックを受けた」せいで、東京から札幌へ強引に移ってきた競技だ。

そして昨日の50キロ競歩でも2割近くの選手が棄権し、嘔吐しながら競技を続ける姿がカメラに映ってるのを見てまた「ショックを受け」て一時間早まったんだろう。

何もしないよりははるかに良かったろうは思うものの、なぜ前日の夜、選手が寝る頃に決まるのかは不思議だ。

今日も熱中症厳重警戒レベルの気候であることは、私でさえ天気予報アプリを見て一週間前から知っていた。

目の前で選手が倒れるまでは「ショックを受け」ないとは、IOCってふだん何のこととか考えてる人たちなんだろう。

 

 

 

『オリンピック・マネー』にはドーハについて面白い話が書いてある。

 

じつは、 ドーハ は 二 〇 二 〇 年 オリンピック 開催 都市 に、 東京 と 同じく 立候補 し て い た。 暑 さが 課題 と なる こと から、 ドーハ は オリンピック の 十月 開催 を IOC に 提案 し た。 IOC が 二 〇 一二 年 五月 に 公表 し た「 二 〇 二 〇 作業 部会 最終 報告 書」( 72 ページ) に 驚く べき IOC の 回答 が 記さ れ て いる。 「報告 書 で 早い 段階 から 言及 し た よう に、 IOC 理事 会 は、 ドーハ に 申請 者 の 市 が 提案 し た 十月 の 日程 が『 放送 範囲 や 観客 体験 に 悪影響 を 及ぼさ ない』 こと を 完全 に 保証 する よう 求め た。

後藤 逸郎. オリンピック・マネー 誰も知らない東京五輪の裏側 (文春新書) (Kindle の位置No.822-827). 文藝春秋. Kindle 版.

 

ドーハは今大会の立候補都市であったが「暑いから10月開催」という提案をしたため、テレビの視聴率が下がることを理由のひとつとしてIOCに蹴られているのだ。

 

一方、別の月刊誌の中で、この大会の誘致に成功した都市の都知事(当時)が立候補ファイルについてこのように説明している。

 

なかには、東京大会の立候補ファイルに「温暖でアスリートに最適」などとなぜ書いたのか、と批判しているが、当たり前ではないか。日本の気候は熱帯ではなく温帯なのだから。 

そもそもIOCの五輪開催は夏だと決まっており、そこに立候補した以上は夏に行うのが当然で、こんな当たり前のことすら誰も言わない。

月刊Hanada令和3年8月号 「東京五輪開催は最大のチャンス」猪瀬直樹

 

 どうやってもこの点に関しては、「書けと言われればなんでも書く」と公言してしまう都市より、ドーハのほうが「だいぶちゃんとしてる」ように見えるんだけど、ちゃんとしてるかどうかはオリンピック開催都市の選定基準には入りにくいものだろうか。