ニュースを見ていて、12月9日がジョン・レノンの命日なのだということを初めて知るのだけど、俳句歳時記的には漱石忌でもあるのだ。
思えば2020年もっとも慰めをもらったエンタテインメントのうちのひとつが夏目漱石の『自転車日記』である。
あのユーモラスな留学時代の短いエッセイを読むと「漱石って異国にあると小さい人なんだよな」としみじみ思う。
その小ささのことやら、猫のことやら、あれだけの仕事をして40代で逝ってしまったことやら、いろいろ思えば、こんなに寒くて寂しい季節に漱石忌か、とちょっと印象深くしんみりするものだ。