晴天の霹靂

びっくりしました

眠りゆく散歩道

冬枯れの公園の中を歩いていたら、低木の茂みごしに金色の頭がちらちらしていた。

見れば雪囲いをしているのは見事な髭面プリンの植木屋さん。

もう雪も降り始めてる中での作業はさぞ寒く、もしかすると毎日ひげをあたったりすると乾燥で荒れてしまうのかもしれない。

それにあの見事にくっきりした黒と金の髪の境目は、どうかすると半年近く切っていないのではないか。

今年はまあ、なんだか色々あってみんな忙しかったですものねえ。

 

明らかに自分のことは手入れの足りてないその人が、素人目には「もう枯れて駄目になっちゃってる」みたいにみえるパサパサの植木を、来年のために大事に包んで暖かくしてあげる様子を見ると、それはなかなかに感動的な光景なのだ。

小鳥みたいにひょこひょこと、茂みの間を出たり入ったりする鮮やかな金色の横を通りすがりながら、こっそり心の中で目礼をする。

来春の楽しいお散歩のためにありがとうございます。

 

この季節一番好きな散策路は落葉松の並木で、びっしり落ちた黄金色の細い葉の上に真っ白に雪が積もった鮮やかさたるや楽園の色彩だ。

そして松独特の涼しく甘い匂いが道の向こうまで、ずーっと目印のように伸びている。

散歩道に、次々と金の道標ありとは、ありがたいことだねえ。

 

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金髪が雪囲いする松林

今週のお題「感謝したいこと」