晴天の霹靂

びっくりしました

いくつかの条件を満たしてトヨシマとなる

スーパーでお会計に並んでいたらレジの店員さんが将棋の豊島将之竜王にそっくりだった。

「お、トヨシマだっ!」

一瞬盛り上がったが、そうは言ってもこのコロナ禍マスクと眼鏡をしていて、顔などほとんど出ていないのである。

やせ型の30歳前後で黒い前髪が眉毛あたりにかかってる感じの人なら、だいたい全員トヨシマに見えるはずだ。

 

「マスクと眼鏡を取ったら、実際はほとんど似てないんだろうなあ」

などとぼんやりしていたら「次のお客様どうぞー」と前のレジを捌き終わったトヨシマが呼んでくれる。

正面を向いて目があった瞬間に衝撃が走った。

 

「トヨシマどこ行ったっ?」

 

一瞬で別人になったかと思うほど一ミリも似ていない。

そうか、マスクと眼鏡の他にもうひとつ要素があったのだ。

横顔だ。

棋士はとかく盤を挟んでいるところを真横から見る時間が異様に長い。

横顔という時点でそもそも棋士っぽいのだ。

 

「そうかー、トヨシマじゃなかったか。さっきまですごく似てたんだけどな。トヨシマじゃないなー」

身勝手に恨めし気なことを思いつつ手元を見ていたところ、もう一つ異変に気付く。

 

早い。正確だ。

両サイドのレジをどんどんぶっちぎっていく手の早さ、レジかごの使い方の目測の正確さ。

「やっぱトヨシマだっ!」

 

この早さと確かさはまさしくトヨシマ。

「いやー、トヨシマ居たな。意外と身近なところにトヨシマ居たな。ありがとうトヨシマ」

得した気分でルンルン帰宅をしたら竜王戦第一局52手で勝利のニュースが出ていた。

痩せて早くて正確なトヨシマは意外といろんなところにいる。

 

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3月のライオン 1 (ジェッツコミックス)

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将棋に明るいわけでは全然ないが、『3月のライオン』を読んで以来、トヨシマにはなんとなく思い入れがある。

別にモデルってことではないんでしょうが、とくに若いころは本当に印象がよく似ておりました。