先日北海道民の魂を支えるコンビニチェーン「セイコーマート」に久しぶりにふらっと入ってみたら、なんだからいろいろと面白かった。
地元産の食材を使ったオリジナル商品がずいぶんたくさんあるうえに、価格も全体的に安く、全般的にほどよくあか抜けないのが見ていて楽しい。
こんなリトルパラダイスだったのか、セイコーマート。
その日、とくに目についたのは酒類売り場の「ミントハイボール」である。
もともとミントが好きなうえに、たまたま暑い日で心持ち喉が渇いていたせいか、やたらと美味しそうに見える。
アルコール分解酵素をたいしてもたない遺伝の体質で、普通に暮らしていて自発的に飲むことがあまりないのだけれど、涼し気なパッケージを見ているうちに6%のハイボールのショート缶一本くらいなら
「……飲めるんじゃないかな?」
という気に、ふとなった。
買って帰って寝る前にぷしゅっと開けてみる。
ミント独特の、薬品みたいな、口に入れていいのかどうかいまいち確信がもてない感じの強引な爽快感に、ジンの薬品くささまで加わって、ちょうどいい具合にブルッとする。
爽やかである。
ビールよりだいぶ爽やかである。
とにかくブルっとする。
「あー、うまいねー。爽やかだねー」
などとブルブルやっていたら案の定半分飲む前に完璧な酔っ払いとなり、残りは飲み損ねた。
カマトトではない、遺伝的な体質だ。
「しかし、アルコール成分はともかく、あのぴりっとするメンソール感が忘れられない」
などと密かに思って、半分しか飲めなかったくせに翌日もう一本買って冷蔵庫の奥深くに丁重に埋蔵した。
どうせまた半分しか飲めないが、いつか、また調子に乗った日に飲もう。
ミント好きには謎の中毒性のある、危険な液体である。