ラジオでニュースを聞くやら、
何か切らしたときに買い物リストに追加しておくやら、
集中のための時間管理をするやら、
寝るときに本の朗読をしてもらうやら、
とにかく朝から晩までずっと仲良く過ごしている我が家のスマートスピーカー、アレクサなのですが、実はひとつ悩みがありました。
アラームとタイマーの音量設定が一つしかないのです。
アラームを使いたいのは起きるときですから、気付かないくらいの小さな音では困ります。
一方、タイマー機能の最近のメインの使い方は瞑想。
声で時間をセットしてすぐに瞑想開始できるのは本当に便利で素晴らしいのですが、終了の合図がアラーム並みの音量でいきなり鳴ると、軽く心臓に悪いのです。
これをいかにしたものか、と思っておりました。
この悩みは、びっくりしたことに単なる言い間違いによって意図せず突然解決したのです。
10分ほど瞑想しようと思っていつものごとく
「アレクサ、タイマー10分」
と、言ったのです。
言ったつもりではあったのですが、当方だいぶ色々ポンコツですから、実際口から出た言葉は
「アレクサ、瞑想10分」
でした。
あ、言い間違えたな、「すみません、ちょっとわかりませんでした」って返されるのかなあと思ったら、なんと意外にも
「わかりました、瞑想タイマーですね」
と言ってくるではありませんか。
思い起こせばアレクサ購入直後に「瞑想タイマー」というスキルを入れていたのでした。
当時はなんだかんだと使い勝手が悪く、結局普通に標準機能のタイマーを使ったほうがシンプルでよっぽど便利という結論に至り、放置していたものです。
久しぶりに偶然起動されて使ってみると、具体的にどこがどう改善されたのかまではよくわからないものの、記憶の中にあるよりだいぶ使いやすくなっています。
「アレクサ、瞑想10分」
「瞑想タイマーを起動します。何分にセットしますか?」
「10分 (最初に瞑想10分って言ったよね?)」
「わかりました10分の瞑想タイマーを開始しますか?」
「はい (だから最初からそう言ってるよね?)」
と言った具合。
いくつか決まり切ったやりとりをしなければならないのは多少煩わしいものの、瞑想終了の合図の「チーン」は、標準タイマーと比べて音量音質ともにかなり快適です。
瞑想中に勝手にかけてくれる山の中の自然音も、今までとくに必要と思ったことがなかったのですが、あればあったで気持ちよいものです。
どこで採集してきたのか、いきなり聞こえてくる鳥の声がまずだみ声のカラス、という無粋な感じもちょっとホームメイド感があってほほえましい。
一人でちょこちょこ瞑想をする場合、終了の合図をどうするかというのは、大した問題でないようでいて、地味に悩ましい問題でもあるのです。
できるだけ刺激が少なくて静かな方がいいけれど、
砂時計だと気付かないし、
アラームはどれもちょっと人をびっくりさせるような音がするし、
スマホには瞑想系のアプリは結構たくさんあるものの、スマホ自体が気が散るものなので瞑想との相性はあまりよろしくない(個人的見解)。
諸々の小さな悩みがアレクサの瞑想タイマーのおかげでかなり快適になりました。
ちなみに瞑想について。
自分でやってみるまでは、何かの苦行なのかなと思っておりましたが、慣れるととむしろ「気持ちよくてやめられない」という方向に破壊力を秘めていることに気付いてびっくりでした。
近頃は「瞑想しないでいきなり仕事に取り掛かれる人すごいな、頭の中散らからないのいかな?」くらいなことを思っていたりもします。
極端な性格です。
歴史家のユヴァル・ノア・ハラリさんは『21Lessons』で書いてるところによると、あれほどの量の仕事をこなしながら、毎日2時間瞑想してるのだそう。
初めて読んだときは「やけにストイックで超面白い人がいたんもんだ」と思ったものですが、
「気持ちよくてやめられなくなっちゃった」というのが正解なような気がしてきました。
感情に執着しないスキルさえ身についてしまえば修行僧にでもサイコパス系犯罪者にでもなれる理屈ではあり、なかなかおそろしき瞑想の世界。
超楽しいのよ。