子どものころは、手洗いとは「とりあえず手を濡らすこと」と心得ていたものです。
大人になってもそこらへんの事情はあまり変わらずですが、最近は感染症予防っていう意味では15秒はやらないと意味ないよ、などというもっともなことが言われますね。
手を洗ってるだけで15秒って長くてびっくりします。
「いやあ、これを一日に何回もは、やらないわぁ」
とやる前から敗北宣言。
海外では「ハッピーバースデーを2回歌うくらいの時間」というのだと聞きました。
やってみるとたしかに、やっつけ仕事で雑に歌って10秒ちょっと。
落ち着きない子どもでも2回歌わせればなんとかなるだろう、くらいの目算は理解できます。
しかし、ハッピーバースデーも面白くない。
何よりディアのあとを決めずに歌い出してしまったハッピーバースデーほどバツの悪いものもそうそうない。
そこで思い出すのが、世界一人を心地よくさせるハッピーバースデーですね。
さすがはモンロー、30秒かけて歌っておりました。
これなら一回歌えば有効な手洗いとして十分なおつりがきます。
帰宅して、くねくね歩きながらコートを脱ぎ、やおら洗面台にむかってかすれた声で
「はっぴ……ばーすれー…みすたぷれじでーん」
と、試しにやってみるのはびっくりするほどバカバカしい気持ちになって気分良かったです。
これを一日に何度もやるか、とか、これから先毎日帰宅するたびにやるか、とか問われるとあまり自信がないですが、手洗うだけで陽気な気持ちになれるのは大変お得なことなのでご報告しておきます。
Amazonミュージックに入っているので、「 アレクサ、マリリン・モンローのハッピーバースデーかけて」ってお願いすればかけてくれるのです。あら便利。