晴天の霹靂

びっくりしました

紙か、紙でないか。それが問題だ。

ちょっと目についた本のタイトルを肴に、無責任に思いついた話をする。全く読んでいない本を単なるお題に使って申し訳ない。

デジタルで読む脳 X 紙の本で読む脳 :「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる

デジタルで読む脳 X 紙の本で読む脳 :「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる

  • 作者:メアリアン・ウルフ
  • 出版社/メーカー: インターシフト (合同出版)
  • 発売日: 2020/02/06
  • メディア: 単行本
 

同世代の読書好きは知る限りでは「紙の本派」が多いようだ。私はもっぱらデジタル読者派であり紙の本を買える人はそもそも「おおっ、お金持ち」と思っている節がある。何より紙の読書は収納場所の限界と切っても切り離せない関係があるせいだ。

 

自分がkindleを買ってからどれくらいになるのかなあ、と思って調べてみたら2016年末のサイバーマンデーで買っていた。

それまでは紙の本は、置く場所も買い続ける経済力もないので、読み終わったらイチイチ売る、というチマチマ方式で読んでいた。読みかけの本が貯まってくると「読み切ってしまわねば」というプレッシャーもふえ、その時点で気になった新しい本を買うのがためらわれていたりしたのだが、それがなくなったのは爽快だった。

 

この情報の流れの早い時代、読み切ってから次にいくように心がけていると、好奇心のテンポに読書の速度が全然追いつかない。どれかを読み終わるまで待ってると、私ごときダンゴムシほどの好奇心などあっと言う間に腐ってどこかへ行ってしまうのだ。

気になった端からダウンロードして、ちょこちょこ読みはじめ、今一番好奇心が持続しているものから順に読了してしていく、という読み方ができるのは同時に何冊も持ち運べるデジタルならではの大変快適なことだ。

最近はAmazon echoを買ったおかげでkindle本の読み上げもできるようになったので「この本は何かしながらざっと耳で聞いてしまえば十分」というような本も同時進行の読書に入れておけるようになってまた快適になった。

Echo Dot (エコードット)第3世代 - スマートスピーカー with Alexa、チャコール
 

 

とは言え、紙の本はいいものである。kindleで買っても気に入ったやつは紙でも欲しくなる。夏目漱石がどこかで言っていた「本を適当に開いてそこからでたらめに読み始めるのが読書の楽しみ」というのは、実際その通りなのだ。好きなものは触りたい、というのは案外根源的な欲求でもあってちょっと驚く。

 

ちなみに最近データで買ったはいいが、ものすごく紙でも欲しくなっている本が奥泉光『雪の階』。涙が出るほど素晴らしいと思ったが、2640円。 一回買っているのに、もう一度買いなおすにはそれなりの覚悟がいる。最初から紙で買っていればこの迷いはなかったのに、と思うことも、まあなくはない。

雪の階 (単行本)

雪の階 (単行本)

 

 

あと、本棚の目につくところに「恰好つける用の本」を並べ、目につきにくい奥の方に「本音の本」を並べる、というようなせこい真似をしなくなるのも寂しいと言えば寂しい。自分の「外面」と「内面」のギャップに直面する情けなさが常に部屋の「ある」っていうのは、身の程をわきまえておくにはちょっといい経験だったようも気がする。

電子書籍では情けない読書歴は端末から削除してしまえば終わりなのだ。もちろんダウンロード履歴としては未来永劫どこか宇宙空間を漂っていて、いつの日かまとめて恥ずかしい目にあわされたりするんだろうから、最終的には同じことなのかもしれないけれど。