晴天の霹靂

びっくりしました

立春シュークリーム

頂き物のコンビニのシュークリームのパッケージに「西南西」なる文字が書いてあるので、はて何のことでしょうか、としばし考えたら節分だったのだ。

 

恵方巻きが、食品ロスやらコンビニベースの商業主義にすぎるとかいろいろやり玉にあげられるようになってからずいぶん長い気がするが、折衷案ということなのか、「巻き」の要素からも撤退していたとは。

ついには「その年の恵方を向いて何らかの食べにくいシロモノを無言で食べる奇祭」ということでひとまず落ち着いたのであればそれはそれでいいのではないか、などと思いながら、無言で食べる。節分であろうがなかろうが一人でシュークリーム食べるときにむやみにしゃべる人はいない。

 

やわらかシュークリームの上手な食べ方を、私は知っているんです。手にもって、北半球と南半球をひっくり返す、ふわふわの面が下に来ていれば齧っても中からクリームが飛び出さない。どういう原理なのかは、いつかきっと賢い人が説明してくれるものと信じて丸投げするところであるが、天地を逆にすればシュークリームは飛び出さないし、ポニーテールは振り向かない。涙で明日がよく見えない。

 

さすればもう立春というのに、やっと雪国らしい量の雪が降った。雪が降らないというのは生活する側にとっては楽ではあるが、降るつもりで暮らしてるところに降らないのは妙なものでもある。

先日ラジオで伊奈かっぺい氏が、今年の暖冬と積雪の異常な少なさについて「冬の運動といえば雪かきか納豆かき混ぜるくらいしかしないのだから、降ってくれないと困る」と言っていた。

誇張はあるものの、言いたいことはよくわかる。寒さで多少出不精になる分くらいの運動量を雪かきで補っている雪国人はとても多いはずだ。特に定年退職したおじいちゃんは本当に極端なほど雪かきに凝る人も多くて、ピシッと水平垂直のそろったダンジョンみたいな雪道を自宅周りに築いている人はたくさんいる。

とくに徒歩圏内に公共交通機関が一切ないような過疎エリアでは「ひと駅分歩く」というような運動もしようがないし、回覧板まで車で届ける地域だってたくさんあるのだから、雪でも降らない限り体の動かしようがない。雪にもある程度真面目にやってもらわなければ。今後このような暖冬が続くつもりなのであれば、あとは納豆メーカーで納豆を固くしてもらうほかなくなってしまう。

 

今年は暖かすぎたので、出先でニット帽をひとつなくしてしまったな、あの帽子はどこかで元気にやってるんだろうか。

暦だけ見てなんとなく先走って春みたいな感慨に浸るものの、まだまだ、雪国ってやつはこれからの大どんでん返しもありうるからな、などとも思っている。降ったら降ったで面倒だが、降らないのもちょっと寂しいのは確かなんである。