晴天の霹靂

びっくりしました

おとなになるということは。

寒い季節には猫も炬燵に入りがちになるもので

ひっぱりだして運動させるために、年始に新しい猫じゃらしを買った。

 

うちは、黒猫がピロピロキラキラしているチャラいものを追いかけるのが好き、虎猫は掴まえてキック入れたりできるぎゅっとしたものが好き、と好みが分かれている。

今年はうまい具合にピロピロキラキラした吹き流しと、小さい魚のぬいぐるみと、両方の好きなものがついた猫じゃらしを見つけた。

 

これなら、友釣りもイケるんじゃないか

そう思って遊んではみるが、猫どもは不思議と順番におもちゃにとびかかる

片方の猫が飛び掛かってるときは、もう片方は少し離れたところで身を低くし、腰に力を込めていつでも飛び掛かれる体勢のまま、耳を立ててじっと待ってるのだ。

 

思えばほんの一年前までは、チビの黒猫はこうやって遊ばせるのも大変だった。

おもちゃを、捕まえたかと思えば全力で咥えて机の下まで引きずっていき「ぐーっ」と妙な声で威嚇して独占したものだ。

「世界中がみんな敵」みたいな目つきをするから、虎猫もドン引きして遊びに加われないし、人間としても手の出しようもなく、遊びとして成立する気配が全然なかった。

 

それが、いつの間にかこうやって順番に遊ぶなどという団らんが自然にできるようになっているとは、いかなる奇跡か。ぬいぐるみの小魚をおいかけてドリフト走行する猫を見ていると、むやみに感心する。

「君たちにとっても、大人になるとは、社会性が身に付くということなのかい。そうなのかい。」

猫の成長に立ち会って、図らずもエモーショナルな成人の日なんである。

 

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