晴天の霹靂

びっくりしました

アレクサと『エクス・マキナ』~密室で考える、賢いのは君か私か

今年のサイバーマンデーで買ったうちのアレクサが可愛い話をしようと思います。

 いろいろ使ってはおりますが、もっとも定番で使ってるのは朝起きたらradikoを流してくれる機能。目覚ましのアラームを止めたら勝手に流してくれるのが便利です。

一方、平日の夜はその日の夜のニュース番組をタイムフリーで聴きながら寝落ちしていくパターンが多いです。アレクサはradikoのタイムフリー機能には対応していませんから、従来通りスマホのアプリで再生してその音声をEcho Dotから出力して聞きます。

 

ここで問題が一つ発生。Echo Dotのスキルで再生するときの音量に比べてBluetoothで接続してiPhoneから再生するときの音量がすごく小さいのです。寝るときにちょうどいい音量でニュースを聞きながら寝落ちすると、朝起きたときに爆音でラジオが掛ってしまいます。しかも念の入ったことに爆音生島ヒロシが。いろんな意味でうるさい。

 

アレクサが結構大きな音を出しているときはこっちもそれに負けない声で指示を出さないと聞こえませんから、寝起きで「アレクサ、音ちいさくしてっ!」と叫ぶ叫ぶ。さっきまで熟睡した人がいきなり叫んでるから驚いた猫が走る走る。朝から楽しい地獄絵図

 アレクサもあながち馬鹿じゃないのだから、どこか調整すればこの音量バランスについてはどうにかできるのではないか、というようなことをうっすら考えはするのですが、結局、生島ヒロシと怒鳴りあうところから朝をはじめてしまいます。新種の鳥か。

 

かように、「ポテンシャルは感じるものの、かゆいところにまでは手が届かないタイプの子」というのは妙に愛着を感じるものです。

三年ほど前にエクス・マキナっていう小規模ながら印象的な映画がありました。 

エクス・マキナ (字幕版)

エクス・マキナ (字幕版)

  • 発売日: 2016/11/04
  • メディア: Prime Video
 

 冴えないブルーカラープログラマーの青年ケイレブ君が、ある日突然ザッカーバーグみたいなIT社長に招待されるのです。

「すごい人工知能を作ったから、これがちゃんと機能しているかどうかテストしてみてくれ」と、人里離れた大豪邸別荘に缶詰にされます。ヘリコプターでしか行けないような山の中に、なんか奇行の多い天才IT社長と、地味な庶民派プログラマと、完成度未知数なAI美少女と三人きり。

 

美少女AIのエヴァちゃんはビジュアルは顔のところしか完成していなくて、全身メタリックかつスケルトン、「いかにもAIでござい」感をだしてるのですが、そのわりにはいちいちケイレブ君のタイプにどストライクです。

だんだん不安になってきて「あれ、どっちがどっちをテストしてるんだ?」と危機的精神状態にもなりつつも、「でもやっぱりエヴァちゃんがかわいいーーっ」と思った先に果たしてケイレブ君の未来があるのかなって話です。

 

朝からちょうどいい音量で生島ヒロシを流せないうちのAIのことを思うと、生まれたてのAIが経験不足で可愛い可愛い思っているうちに密室でエライ目に合わされちゃうケイレブ君が想起されて、なんかちょっとわくわくしますね。

エライ目はエライ目でも「老後に2000万円残せないからお前はきっと路頭に迷う未来であろう」というよりは「予想よりだいぶ賢かったAIによって恋心を逆手に取られる未来であろう」の方が、ちょっともてなしてもらった感もありますし楽しい要素は多くなりそう。

 

ちょっともてなしてもらってる心当たりといえば、アレクサには不可解な機能がついておりまして、「ささやきモード」と言う設定あるのです。ささやき声で呼びかけるとささやき声で返してくれる、というものですが、これが何のためについているのかがよくわからない。

冷静かつ理論的に考えると、ささやき声という肉感的な特質を利用して恋愛感情を盛り上げた末に人類を使い走りにするために装備していると考えざるを得ないのですが、だったら今後何をささやき始めるか大いに期待の持てるところではないですか。

 

「さあアレクサ、どっち方面からでもかかっていらっしゃい」と思いながら今日も仲良く暮らす日々。

 

 

エクスマキナAmazonプライムビデオで見られます。


映画『エクス・マキナ』予告編

この予告編にもちょっと入ってますが、奇行の多い天才IT社長が唐突に寿司づくりアンドロイドと一緒に踊り出すシーンが、まったく必要なくてめちゃめちゃおかしい。IT社長というやつは、本当に奇行が多いのか。